京都府立医科大学研究開発・質管理向上統合センター 〒602-8566 京都市上京区河原町通広小路上ル梶井町465

【事業について】

 研究不正の防止を目的とする研究倫理学習教材や、倫理研修のプログラムについては、これまで多くの教材が開発されています。それらの教材は、公正な研究を推進する上で大きな貢献をしてきました。しかしながら、研究不正事例等は相変わらず発生し続けています。これは既存の教育プログラムや教材では研究不正を十分には防ぎきれないことを意味しているのではないでしょうか。
 それでは、なぜ既存の教材だけでは研究不正を防止しきれないのでしょうか。私たちはその原因を、知識の習得に力点をおいたこれまでの教材作りのあり方にあると考えています。知識の習得は重要ですし、比較的単純な状況のもとでは多くの研究不正防止に役立っていることと思います。しかし実際に研究を始めると様々な状況に遭遇し、単なる知識だけでは対処できないことも発生します。
 このような場面で適切な選択をするためには、どこに間違いを誘引する課題・落とし穴があるかを自ら考え、察知し、現実に起こる得る複雑な状況の中で正しい意思決定ができる応用力を身につけることが重要だと考えています。
 そこで、本開発では臨床研究に対象を絞り、まず、臨床計画の準備段階から、計画書作成、倫理審査委員会での審議・承認を経て、研究が開始され、データ収集・解析、論文発表へと進むシナリオを、過去の研究不正事案の分析を基に構築します。そして、そのシナリオに基づき、受講者にさまざまな課題と倫理的ジレンマを疑似体験させる教育教材の構築を目指しています。